3ナンバーだと税金が高くなるは誤解?5ナンバーとの違いと本当の維持費【車幅の注意点も解説】

「3ナンバーって、やっぱり税金が高いんですよね?次の車、気になるけどナンバーで損したくなくて…」

「それ、よく聞かれますが誤解です。税金を決めているのはナンバーではなく、排気量と車両重量なんです。ナンバーより先に見てほしいポイントがあるので、順番に説明しますね。」
車を買い替えるとき、「3ナンバーは税金が高いからやめておいた方がいいかな」と迷った経験はありませんか。
私は現役の鈑金塗装職人兼整備士として、お客様や同僚、家族から「3ナンバーは税金が高いんでしょ?」と聞かれることがよくあります。昔から言われている話なので、そう思い込んでいる方は本当に多いです。
この記事を読むと、次のことが分かります。
- 「3ナンバーだから税金が高い」わけではない理由
- 5ナンバーと3ナンバーの本当の違い(サイズと排気量のルール)
- 実際に維持費へ影響するポイントと、影響しないポイント
- 整備・鈑金塗装の現場から見た3ナンバー車の実情
- ナンバーに惑わされない車選びの考え方
結論から言うと、自動車税は排気量、自動車重量税は車両重量で決まります。 ナンバーの数字そのものは、税額に関係しません。
結論:税金を決めるのは「ナンバー」ではなく「排気量」と「重量」
まず結論です。車にかかる主な税金の決まり方は、次のとおりです。
| 税金 | 何で決まる? | ナンバーは関係する? |
|---|---|---|
| 自動車税(毎年) | 排気量 | 関係しない |
| 自動車重量税(車検時) | 車両重量(0.5トンごと) | 関係しない |
| 環境性能割(購入時) | 燃費性能など | 関係しない |
つまり、3ナンバーでも排気量が2,000cc以下なら、自動車税は5ナンバーの同じ排気量の車と同じ額です。
全幅が1,700mmを超えて3ナンバーになった車でも、排気量が1,500ccなら、自動車税は1,500cc以下の区分の税額になります。ボディが大きいことそのものに課税されるわけではありません。
現場でも「ナンバーで税金が決まる」と説明されることはない
私は普段から「ナンバーではなく、主に排気量や車両重量で税金が決まりますよ」とお客様に説明しています。それでも、「3ナンバー=高い」というイメージはなかなか消えません。
次の章では、5ナンバーと3ナンバーが何で分かれているのかを整理します。
5ナンバーと3ナンバーの違いは「サイズ」と「排気量」の区分

5ナンバー(小型自動車)の条件
ナンバープレートの最初の数字(分類番号)は、車の区分を表しています。乗用車の場合、先頭が「5」や「7」で始まるのが小型自動車(いわゆる5ナンバー)、「3」で始まるのが普通自動車(3ナンバー)です。
小型自動車の条件は、次のすべてを満たすことです。
- 全長:4.7m(4,700mm)以下
- 全幅:1.7m(1,700mm)以下
- 全高:2.0m(2,000mm)以下
- 排気量:2,000cc以下(ガソリン車の場合)
このうちひとつでも超えると3ナンバーになります。
ディーゼル車には排気量の制限がありません。サイズが範囲内なら、大きな排気量でも小型自動車(5ナンバー)として扱われます。
また「7ナンバー」は特別な区分ではなく、5ナンバーの番号が不足した地域で使われた名残です。5ナンバーと同じ小型自動車の扱いです。
具体例:数字ひとつで3ナンバーになる
| 例 | 全長 | 全幅 | 全高 | 排気量 | ナンバー |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 4,200mm | 1,695mm | 1,500mm | 1,500cc | 5ナンバー |
| B | 4,275mm | 1,765mm | 1,550mm | 1,500cc | 3ナンバー(全幅超過) |
| C | 4,500mm | 1,690mm | 1,500mm | 2,500cc | 3ナンバー(排気量超過) |
BはAとほぼ同じ大きさの車ですが、全幅が1,700mmを超えるため3ナンバーになります。それでも排気量が同じなら、自動車税は同額です。
「3ナンバー=高い」という誤解が生まれた理由
では、なぜこんなイメージが広まったのでしょうか。
昔は「ナンバー」で税額に差があった
かつては、ナンバーと排気量によって自動車税の税額が決められていた時代がありました。1989年度までは、そうした仕組みだったとされています。その後は排気量のみで税額が決まるようになりました。
つまり、「3ナンバーは高い」という話は、今は変わった昔の制度の名残です。
今も残る「大きい車はお金がかかりそう」という印象
もうひとつの理由は、3ナンバー車に高級車や大排気量車が多かったことです。実際に3ナンバー車は排気量の大きい車が多いため、自動車税が高い車が多いのは事実です。
ただし、それは「3ナンバーだから」ではなく「排気量が大きいから」です。原因と結果が入れ替わって伝わっているわけです。
最近は、5ナンバーの代表格だったカローラが3ナンバー化するなど、コンパクトカーでも3ナンバーが増えています。「3ナンバーは高級車」というイメージ自体が、実態に合わなくなってきています。
実際にいくら違う?税金の比較

ここでは、実際の税額を見てみましょう。
自動車税(排気量別)
2019年10月1日以降に初回新規登録を受けた自家用乗用車の自動車税(種別割)は、次のとおりです。
| 排気量 | 税額(年額) |
|---|---|
| 1,000cc以下 | 25,000円 |
| 1,000cc超〜1,500cc以下 | 30,500円 |
| 1,500cc超〜2,000cc以下 | 36,000円 |
| 2,000cc超〜2,500cc以下 | 43,500円 |
| 2,500cc超〜3,000cc以下 | 50,000円 |
2019年9月30日以前に登録された車は、税額が異なります(たとえば1,500cc超〜2,000cc以下は39,500円、2,000cc超〜2,500cc以下は45,000円)。ご自身の車がどちらに当たるかは、登録時期で確認してください。
表を見ると、税額が変わるのは排気量の区切りであり、ナンバーの区切りではないことが分かります。3ナンバーでも2,000cc以下なら、5ナンバーと同じ区分です。
税額が上がるのは「排気量が2,000ccを超えたとき」と覚えておくと分かりやすいです。
自動車重量税(車両重量別)
自動車重量税は、車検証に記載された車両重量によって決まります。自家用乗用車は、車両重量0.5トンごとに税額が上がる仕組みです。
2年車検での税額(本則税率)の目安は次のとおりです。
| 車両重量 | 2年分の目安 |
|---|---|
| 1.0t超〜1.5t以下 | 15,000円 |
| 1.5t超〜2.0t以下 | 20,000円 |
| 2.0t超〜2.5t以下 | 25,000円 |
ここでも、ナンバーは関係ありません。 同じ車両重量なら、5ナンバーでも3ナンバーでも同じ区分です。ただし、3ナンバー車は車体が大きく重い車が多いので、結果として重量区分が上がりやすい傾向はあります。
エコカー減税などの優遇制度によって、実際の税額は上記より安くなる場合があります。制度は改正されることがあるため、購入時は最新の内容を確認してください。
税金以外の費用はどうなる?
維持費は税金だけではありません。ここからは、整備の現場で感じることをお話しします。
現場で感じる3ナンバー車の維持費(整備・鈑金塗装の目線)

タイヤ・ブレーキまわりは「大きい車」ほど高くなりやすい
整備の現場では、3ナンバー車のほうが車体やタイヤが大きい車が多いので、タイヤ代やブレーキ関連の部品代が高くなるケースはあります。
ただし、ここが大事なところですが、3ナンバーだから高いわけではありません。 車種やグレードによる差のほうが、はるかに大きいです。
たとえば、同じ3ナンバーでも、
- 標準的なタイヤサイズのグレード
- 大径ホイール・低扁平タイヤのスポーツグレード
では、タイヤ代の差が大きくなります。ナンバーよりも、タイヤサイズやグレードを見たほうが、維持費の予想は当たります。
- タイヤサイズ(特にインチ数と扁平率)
- ブレーキの種類・サイズ
- 車両重量
- 排気量
カタログの「主要諸元表」で確認できます。
鈑金塗装の工賃は「ナンバー」では決まらない
鈑金塗装の現場でも、よく誤解されます。
大きい車は当然、塗装面積が増えるので塗料の使用量は増えます。部品の脱着やマスキングなどの作業量が増える場合もあります。
ただし、鈑金塗装の工賃は基本的に3ナンバー・5ナンバーで決まるわけではありません。 損傷の大きさや作業内容で決まります。
| 要素 | 費用に影響する? |
|---|---|
| ナンバー区分(3か5か) | しない |
| 損傷の大きさ・範囲 | する |
| 作業内容(板金、塗装、脱着など) | する |
| 塗装面積・マスキングの量 | する(大きい車ほど増えやすい) |
同じ「バンパーの擦り傷」なら、3ナンバーでも5ナンバーでも、作業内容が同じなら工賃の考え方は同じです。
任意保険や自賠責は?
任意保険は、車種ごとの型式別料率クラスや、運転者の年齢・等級などで決まります。ナンバーが3か5かで決まるものではありません。
ナンバーより気にしてほしい「車幅」の現実

税金の話は「誤解」でしたが、3ナンバーに気を使うべき点が一つあります。それは車幅です。
1.7mを超えると取り回しが変わる
私自身が車を選ぶときも、ナンバーより車幅や取り回しのしやすさを気にします。特に駐車場や狭い道では、1.7mを超える車幅になると5ナンバー車より明らかに気を使います。
具体的には、次のような場面です。
- 狭い路地ですれ違うとき
- 駐車場の枠いっぱいに停めるとき
- コンビニや量販店の狭い駐車スペース
- 隣の車との間隔が狭いとき
機械式駐車場では入らないことがある
立体駐車場や機械式駐車場では、3ナンバーサイズだと入庫できない場合があります。これは排気量ではなく、車体サイズの制限によるものです。マンションや月極駐車場を借りるときは、事前に寸法制限を確認してください。
全高の制限(例:1,550mmなど)がある駐車場も多いです。契約前に、車検証の寸法と駐車場の制限を照らし合わせましょう。
5ナンバーが向く人・3ナンバーが向く人

最後に、どんな人にどちらが向いているかを整理します。
| 5ナンバー | 3ナンバー | |
|---|---|---|
| 向いている人 | 狭い道・駐車場が多い人、運転に自信がない人 | 室内の広さや安定感を重視する人 |
| 良い点 | 取り回しやすい、機械式駐車場に入りやすい | 室内が広い、走行安定性が高い車が多い |
| 注意点 | 選べる車種が減っている | 車幅に注意、タイヤ代が高めの車もある |
| 税金 | 排気量・重量で決まる | 排気量・重量で決まる(同じ) |
- 自動車税は排気量、自動車重量税は車両重量で決まる
- 「3ナンバー=税金が高い」は昔の制度の名残による誤解
- 3ナンバーでも排気量2,000cc以下なら、自動車税は5ナンバーと同じ区分
- 維持費に影響するのは、排気量・重量・タイヤサイズ・車種やグレード
- ナンバーより、車幅と駐車環境を確認するのが大事
よくある質問(Q&A)
Q1. 3ナンバーは自動車税が高いのですか?
いいえ。自動車税は排気量で決まります。3ナンバーでも排気量が2,000cc以下なら、5ナンバーと同じ排気量区分の税額です。
Q2. 5ナンバーと3ナンバーの境目は何ですか?
全長4.7m・全幅1.7m・全高2.0m以下で、かつ排気量2,000cc以下(ガソリン車)が5ナンバーの条件です。ひとつでも超えると3ナンバーになります。
Q3. ディーゼル車は排気量が大きくても5ナンバーになれますか?
ディーゼル車には排気量の制限がないため、ボディサイズが範囲内であれば小型自動車(5ナンバー)の扱いになります。
Q4. 3ナンバーだと車検費用は高くなりますか?
車検にかかる自動車重量税は車両重量で決まるため、ナンバーでは決まりません。ただし、大きい車は車両重量が重い傾向があり、整備内容(タイヤやブレーキなど)の費用が変わることはあります。
Q5. 3ナンバーだと鈑金塗装の修理代は高くなりますか?
工賃は、損傷の大きさや作業内容で決まります。ただし、大きい車は塗装面積や作業量が増えやすく、結果として費用が上がる場合があります。
Q6. 7ナンバーは5ナンバーと何が違うのですか?
基本的に同じ小型自動車の区分です。5ナンバーの番号が不足した地域で使われた名残で、税金や規格が優遇されるわけではありません。
Q7. 結局、車を選ぶとき何を見ればいいですか?
排気量、車両重量、タイヤサイズ、そして車幅と駐車環境です。ナンバーの数字だけで判断しないことが大切です。
おわりに
「3ナンバー=税金が高い」という考え方は、昔の制度のイメージが残ったものです。ナンバーだけで判断せず、排気量・重量・車幅・タイヤサイズなど、実際に維持費や使い勝手に影響する部分を見ることが大切だと、私は考えています。

「ナンバーで判断していたのがもったいなかったです。次は排気量と車幅をちゃんと見てみます!」

「その見方で大丈夫です。迷ったら、カタログの主要諸元表と車検証の数字を見比べてみてください。数字は正直です。」

